証券会社の仕事内容とは?
まず、証券とはなにかを考えてみましょう。
証券とは、「権利」「義務」に関する記載がされた文書をいいます。そのなかで、「証拠証券」「有価証券(ゆうかしょうけん)」と大別されます。証拠証券については、ここでは説明を割愛します。証券会社では「有価証券」を主に取り扱っています。
有価証券とは、株券(かぶけん)、債券(国債、社債など)、受益証券など他にも様々ありますが、皆さんがイメージしやすいのは企業が発行する「株券」でしょう。
「株」とは企業(株式会社)が発行する権利や地位の証明みたいなものです。
かんたんにいうと、会社が100株発行しているとして、その持っている割合で会社の重要な決定事項を決める際(株主総会、取締役会など)に発言したり、決議が通ったりします。さらに毎年「配当金」といってお金をもらえる場合もあります。多く持っていれば、会社を支配することだってできるのです。
まず会社を立ち上げたとき、割合や持ち分を決めます。
規模が大きくない事業をする場合は、運転資金がそれほどかからないので、創業者が100%お金を出資して株もすべてもつことが多いのですが、共同で経営したり、多額のお金がかかるなどの場合は投資をつのり、複数人で持ったりします。最初の立ち上げ時のお金を「資本金」と呼びます。これは、会社を立ち上げた以降も増やしたり、減らしたりすることができます。例えば、途中で事業を拡大する際に多額のお金が必要となる場合などやIPO(新規株式公開)といって上場企業になる場合です。上場するときに企業がお世話になるのが、証券会社です。
それでは証券会社の業務を見てみましょう。
証券会社では、投資家の注文を証券取引所に取り次ぐ「ブローカー業務」や市場での売買に参加する「ディーラー業務」、株式会社や国が発行する株や債券を買い取って売り出す「アンダーライター(アンダーライティング)業務」などを主に行います。
以下の4つをすべて行っている証券会社は、総合証券会社といいます。
例えば、野村証券、大和証券、SMBC日興証券などの大手証券会社です。
ブローカー業務
株式や外国為替やその他の金融商品を売りたい人と買いたい人の注文を仲介して証券取引所などに取り次ぐことで売買の手数料(株式売買委託手数料)を手に入れることができ、収益をあげます。これは、直接証券会社の社員と話して行ったり、最近ではほとんどの証券会社でインターネットを通じもできるようになっています。
ディーラー(ディーリング)業務
証券会社が、市場(マーケット)で様々な金融商品を自己売買して、利益をあげます。
昔は生身の人間が、トレードをしていたのですが、昨今では、AI(コンピュータプログラム)により自動で売買していることが多いということです。
アンダーライティング業務
日本語でいうと引受業務といいます。企業や国や自治体などの株式や債券を新たに発行するときに、証券会社がその全部または一部を買い取り、発行の募集の手続きを行って売りだすことです。
これは証券会社では投資銀行部門でおこないます。IPO引受業務もこの業務に含まれます。証券会社にとっても、リスクが高いので第一種金融商品取引業者の登録を受けた証券会社のみがこの業務をできます。
セリング業務
これは企業や国や自治体などの株式や債券を新たに発行するとき、証券会社が預かり、買ってくれる人を探して売ります。
大別すると「新たに発行される株式を投資家に広く宣伝する業務(募集業務)」や「すでに発行されている株式を投資家に販売する業務(売出業務)」なです。
アンダーライティングは、売れ残った場合に証券会社がリスクを負いますが、セリング業務は預かるだけなのでリスクが比較的低いです。
証券会社と運用会社(アセットマネジメント)の違い
かんたんに言えば、株や投資信託などの金融商品の売買の仲介・販売するのが証券会社で、投資信託の商品を作っている側が運用会社ということです。
運用会社(アセットマネジメント)は、商品(投資信託)を作り、証券会社を通じて投資家からの申込金で運用し、収益を還元する業務です。
両者とも投資のアドバイス事業や顧客から資金を一任され運用をすることはあります。
例えば、証券会社や銀行もラップ口座というものを設けている会社もあり、投資信託・株式・債券・ゴールド等などで資産運用や管理、売買、アドバイスまで一括して行います。ちなみにファンドラップは投資対象が投資信託に限定されています。
ただ、ここで注意したいのは、自分だけにあわしたプライベートバンクではなく、ある一定のパターンから考慮して運用してくれると考えてください。
運用会社といわれる具体的な企業名は、アセットマネジメントOneや野村アセットマネジメントや三井住友信託銀行などです。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンド(私募ファンド)と聞いたことがある方もいるでしょう。
これは、ある一定のお金を預けてもらい運用して収益をあげ顧客に還元することを目的とし収益の何%かがヘッジファンドの収益になります。ただ、投資資金が多額にあるなど、ごく限られた大口顧客を対象にしています。
証券会社の職種は?
ここでは証券会社でのメジャーな職種をご紹介します。
営業
証券会社が販売する、金融商品を買ってもらうために個人や企業に営業をします。その際にはお客様の資金運用やその他のコンサルティングサービスも提供したりすることもあります。なお、個人への営業をリテールと呼び、法人などへの大口への営業をホールセールとよびます。
新規顧客向けと既存顧客向けにわかれ、お客様と電話やダイレクトメールや対面で行います。新規顧客への営業は「飛び込み営業」といって、アポイントなしに個人や法人(会社)を訪ねて開拓することもあります。
お客様よりも経済などの情報や知識などをもっていないと意味がないので日々情報収集することは大切でしょう。
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リサーチ部門
アナリスト職にあたります。これは、株式の銘柄や株価や経済状況を国内外問わずに調査・分析します。その結果などは、社内や社外に発信して収益をあげるために活用されます。
投資銀行部門(インベストバンキング業務)
投資銀行業務というと、大手の金融機関でもサービスを提供しています。財務に特化して、企業をコンサルしていきます。
例えば、企業同士のM&A(合併と買収)やIPO(新規公開)などがあります。IPOでは企業が株式を市場に公開し、企業や個人が誰でもその会社の株式を売買できるようにして、資金調達することのお手伝いをします。
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多くの企業に共通してある経営管理部門
総務、経理、財務、法務、労務、企画、広報、人事など
証券会社の業界について
金融業界に属するので言わずもがなですが、世界経済、日本経済の影響を受けやすいです。
証券口座数でトップは野村証券なのですが、現在、ネット証券最大手のSBI証券が2番手となっており、野村証券を迫る勢いです。
ただし、SBIホールディングスグールプ全体では、2020年3月末時点の口座数が542万8000口座となり、野村証券を抜いて国内最大になったもようだと発表した。
国内証券会社
対面証券会社の大手は、野村證券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
ネット証券の大手は、SBI証券、楽天証券、松井証券、カブドットコム証券、GMOクリック証券、マネックス証券
外国証券会社
投資銀行業務や機関投資家向けのホールセールが中心になっている。
ゴールドマンサックス(アメリカ)、バークレイズ証券(イギリス)、メリルリンチ日本証券(アメリカ)、クレディ・スイス証券(スイス)、JPモルガン証券(アメリカ)、シティーグループ証券(アメリカ)など
証券会社に向いている人・適正は?
経済の変化や勉強を楽しめる人
日本経済は、世界経済と密に関係しているため、常に状況は変化するのでニュースは帰宅してからもチェックするのがプロフェッショナルでしょう。経済が好きであれば問題ないでしょう。
精神的プレッシャーに強い人
営業職なら、時にはお客様に損をさせてしまうことも少なくありません。時として、お客様から怒鳴られたりすることなどもあるでしょう。そのなかでも、目標達成を求められます。特にリテール(営業職)は、はっきり成績がわかりやすいため、かなり厳しい傾向にあります。
証券会社に就職・転職するには?
大学を卒業者が多いです。その中でもできるだけ、競争率の高い四年制大学に入っているほど有利な傾向にあります。ただ、営業職については、それほど学歴は左右されないといわれています。新卒であれば、在学中に「証券外務員1種・2種」は、営業の場合は入社後も取らなければならない必須資格になるので事前に勉強しておきましょう!
「簿記2級・3級」「証券アナリスト」など会計・法律・金融関連の資格の取得や語学での実績などがあれば、一定の評価はもらえるでしょう。中途採用でもやはり、そういった資格取得者や関連する業界業種での経験者ならより採用される可能性があります。
外資系証券会社への関していうと英語力があり、高学歴やMBAホルダー、USCPA(米国公認会計士)、USCMA(米国公認管理会計士)、公認会計士、税理士、弁護士、弁理士などです。
このなかでお得な資格は、USCMA(米国公認管理会計士)です。なぜなら、学習期間は9カ月~1年といわれ、短期間で合格を目指せるかつ、英語力も証明できるからです。
投資銀行業務が、経営・財務・法務に関する知識がなければ務まらない側面もあるからでしょう。もちろん、上記に当てはまらなくても、新卒ブランドであれば難易度はかなり高いですが、不可能ではありません、
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証券会社の給料・年収は?
証券業界は、企業によってもちろん差がありますが、世の中の平均年収よりかなり高いといわれています。
大手証券会社は、年収が800万を超えることがめずらしくありませんし、外資系の証券会社なら若くしても年収1,000万などと、さらに高給になる傾向があるともいわれています。
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下記は証券会社の上場企業が発表している平均年収の一部です。
総合証券系
大和証券グループ
約1045万円 平均年齢42歳(2017年4月1日~2018年3月31日)
ネット証券系
SBI証券
約809万円 平均年齢43歳(2017年4月1日~2018年3月31日)
松井証券
約826万円 平均年齢39歳(2017年4月1日~2018年3月31日)
以下は、ある外資系証券会社のフロントオフィスの役職と年収例です。
アナリスト(新卒~3年目)
800万円~1,000万円
アソシエイト(4年目~7年目)
1,000万円~3,000万円
ヴァイスプレジデント(7年目以上)
3,000万円~1億円
マーケジング・ディレクター(7年目以上)
5000万円~〇〇億円
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